株式会社FRS(フォーバル・リアルストレート)様
株式会社FRS(フォーバル・リアルストレート)様
- 設立
- 1995年3月16日
- 資本金
- 107,179千円
- 従業員数
- 85名
- 事業内容
- 不動産仲介・オフィス移転支援サービス、OA通信機器の販売
- URL
- https://www.realstraight.co.jp/

手作業に依存していた台帳から各システムへの
データ抽出・入力作業などを自動化
-
課題
管理部の様々な業務を手作業で実施しており、マンパワーでの対応が限界に
-
選択
何がRPA化できるかの判断は、実際の作業内容をタクトシステムに見てもらいながら決定
-
実行
綿密なコミュニケーションでロボットを完成。メイン業務で手作業を大幅に削減
-
展望
今回の効果を踏まえて次の導入を検討。いずれは商品の一つとしてRPAを自社で販売
課題
多種多様な商品の発注業務を手作業で実施

お話を伺った方
株式会社FRS
(右)
管理部 副部長
稲生 旭 様
(左)
管理部
竹ケ鼻 知世留 様
御社の主な事業内容を教えてください。
稲生様
弊社のメインとなる事業は、法人向けのオフィスを中心とした不動産仲介業です。オフィス移転やリニューアルはもちろん、物件探しや引っ越し、空間デザイン、インテリア・家具など、オフィスに関わる様々なサービスを一手に引き受けています。またオフィス移転の際には、インターネット回線、LAN環境といったOA環境の設計・施工も不可欠になるので、そうしたICT環境のご提案や機器の販売も行っています。
私たち管理部は、OA通信機器の販売管理を担当しています。ICT関連は、ビジネスフォン、複合機、パソコン、セキュリティ、LAN工事など非常に多くの機器や施工が必要で、営業が受注してきた多種多様な機器・施工の発注業務を行っているのですが、とにかく発注先がものすごく多いのです。100社ぐらいはありますね。発注先がバラバラなら当然もらう請求書の仕様もバラバラで、その処理には非常に多くの工数がかかっていました。ソフトウェアもあるのですが、それだけでは対応できない部分が多く、ほぼ手作業で行っていました。
管理部はかなり多忙だったのですね。
稲生様
私がFRSに来たのは10年ぐらい前なのですが、その当時から同じような状況でしたね。
弊社は、不動産仲介業の会社とOA通信機器の会社が一つになって今のFRSになったという経緯があり、全く異なる2つの事業を同じシステムで処理するのはかなり難しく、ずっと課題になっていました。もちろんシステム自体を全部作り変えるのが良いのは間違いないのですが、時間もコストもかかり、そう簡単にはいきません。
現場でも何とかしたいというニーズはずっとありましたが、どうすれば解決できるのかがわからず、仕方なく毎日アナログ作業を続けていたという現実がありました。
そうした現状を解決するためにRPAの導入を検討されたわけですか。
稲生様
1年ぐらい前に、当時弊社の代表取締役社長だった吉田からも対応の指示があり、グループ会社であるタクトシステムさんにご協力を依頼することになりました。
正直、手作業では限界に来ていたので、とりあえずは今のシステムのままで、RPAで改善できることから始めようということになりました。
選択
実作業を見てもらうことで何をRPA化すべきか決定
RPA導入のための準備として社内で行ったことはありますか。
稲生様
まずはフローの洗い出しを行いました。これまではきちんとしたフローチャートがなかったので、作業工程を見直す良い機会になりました。また改めて確認したことで、無駄な作業が多かったことにも気づきました。
竹ケ鼻様
私が入社した時は、フローチャートや業務手順書も特になかったので、やり方を聞いて、とりあえず手を動かして覚えるという感じでした。体系的になっていなかったので、毎日何時間も単純作業をしていたこともありましたね。
管理部の業務の中でも、特に負担が大きかったのが請求書発行と発注伝票作成の2つです。請求書発行は、エクセル台帳から請求書・請書のPDFを作成し、請求書発行サービスとなる「ジンジャー請求書」に登録するまでの作業です。また発注業務は、やはりエクセル台帳から販売管理・仕入・在庫管理ソフトの「PCA 商魂・商管シリーズ」に入力し発注伝票を作成するのですが、どちらも毎月200件程度の入力作業があり、これを手作業でやっていました。
稲生様
ただ自分たちでは、どのような作業がロボット化できるのかわからなかったので、入力などの実際の作業内容をオンラインでタクトシステムさんに見ていただき、その上で相談しながら進めました。
それによってどのようなロボットを作ればよいのかが明確になっていったのですね。
竹ケ鼻様
とりあえず困っている作業を「これできそうですか?」と端から投げかけて、タクトシステムさんにできるかできないかを精査してもらうという感じでしたね。リストとしては20個近くあったと思います。
その結果、まずサンプルロボットとして作っていただいたのが請求書発行のロボットです。
請求書発行プロセスの自動化
Excel台帳からPDF作成・Jinjer登録までを自動実行

ちなみに現在、管理部には何人いらっしゃるのですか。
稲生様
販売管理の全体としては8人で、不動産の担当が3人、OA通信機器の担当が5人です。
竹ケ鼻様
OA通信機器の担当5人のうち、私を含めた3人が実際にRPAのロボットを扱う作業をしています。
実行
きめ細かなやり取りで8個のロボットを開発
実際にロボットを動かしてみて、いかがでしたか。
竹ケ鼻様
請求書発行の場合、元になるエクセルの受注台帳の入力を各営業担当者が行っているのですが、入力の仕方が担当者によって不統一という現状がありました。ロボットも入力の仕方がある程度ルール化されていないと正しく読み取ってくれず、最初の頃はよくエラーになりました。元データとなる台帳の重要さがよくわかりましたね。
最初に全てのパターンを想定するのは難しいですから、RPAではよくあることですね。1個目がスムーズに動くようになるまでどのぐらいかかりましたか。
竹ケ鼻様
ロボットに触れられなかった時期もあるので、2カ月ぐらいはかかったでしょうか。最初はどこが間違っているのかもわからず、タクトシステムさんと何回も何回もやり取りをしました。その結果、色々なパターンを全部組み込んでいただいたので、今はほとんどエラーが出なくなっています。
また段々とロボットの動きがわかってきたので、自分でもエラーの原因が想像できるようになり、エラーが出る前にミスに気が付くこともできるようになりました。
1個目以降のロボットも同じような感じでしたか。
竹ケ鼻様
どのロボットも最初は必ずちょっとしたトラブルがあり、週1回の定例ミーティングはもちろんメールでも頻繁にタクトシステムさんに相談していました。連絡するとすぐに原因を特定して直したファイルを送ってくださるので、本当に助かっています。そして、それは今も続いています。
2024年6月から11月で8個のロボットが作られましたが、そのうち今動いているのは何個ですか。
竹ケ鼻様
最初に使ったのは、サンプルで作った請求書発行とエクセル台帳を元に関連する台帳・見積書・注文書の名前を自動でリネームするロボットです。リネームは単純作業ながら請求書発行と同じぐらいの作業時間がかかっており、それが自動化されたことは大きかったです。
その後、先ほどお話しした発注伝票の作成を行う「PCA 商魂・商管シリーズ」への入力プロセス、見積書の収集作業、現金またはリース処理を自動で判別してフォルダに分類する作業も動かし始めており、今のところ5個のロボットが稼働しています。通常の業務をこなしながら同時並行でロボットを試しているので、なかなか一気に全部のロボットを動かすのは難しく、徐々に導入していくことになると思います。
台帳・見積書・注文書リネームの自動化
Excel台帳を元に、関連するPDFファイルのリネームを自動実行

展望
RPAの効果を実感し、第二弾の導入を検討
RPAの効果はいかがですか。
竹ケ鼻様
作業時間が大幅に削減されました。受発注にからむ作業は、元の台帳の問題もあって今も一部手作業で修正していますが、それでも時間的には1/3ぐらいに減っていると思います。例えば請求書発行は手作業だと月に20時間かかっていたのが7.5時間に、リネームは20時間かかっていたのが1時間で済むようになりました。また月に5時間かかっていた見積書の収集作業や、10時間かかっていたフォルダ操作などのように、自動化で作業時間がゼロになったものもありますね。
今お伺いしたものだけでも、月に46.5時間の削減。年間だと558時間の削減になりますね。業務全体の生産性向上にもつながりそうです。ほかにも効果を感じられた点はありますか?
稲生様
もう一つの効果は正確性です。手作業はどうしてもミスが起きる可能性があり、二重のチェックが必要でしたが、ロボットの場合は最低限のチェックで済み、その作業も削減できています。それと私個人としては、PDFやファイルのリネームのような単純作業が減ったことでかなりストレスが軽減されました。
本来は、営業担当者が台帳入力の際に行う作業なのですが、なかなか徹底されないため、不備な部分は管理部で修正していました。営業教育で入力内容の精度を上げる方法もあるとは思いますが、やはり営業は売上の数字を上げることが一番の仕事であり、会社としても多少書類が雑でも営業成績を優先・評価してあげたいですよね。その意味で営業も私たちも、ロボットがこうした単純作業を行ってくれることで、時間的にも気持ち的にも楽になったと思います。
今後はどのような展開をお考えですか。
稲生様
今回導入したことで、どのような作業がRPA化できるかがイメージできるようになったので、もっと自動化を進めていきたいと思っています。そこで第二弾として考えているのは、弊社に届く請求書の処理作業です。取引先が多く、毎月300件ぐらいは処理しているのですが、仕様がバラバラで紙の請求書もあり、RPAの導入が必須という状況です。
それと、弊社はオフィスに関わる様々なサービスを提供しているので、いずれはRPAも弊社の商品の一つとして販売したいと考えています。そのためにも、社内でのRPAの実績を増やしていきたいですね。

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