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横浜DeNAベイスターズの取り組みを通して、スポーツビジネスとブランディングを考える

2020.10.28 水

横浜DeNAベイスターズの取り組みを通して、スポーツビジネスとブランディングを考える

スポーツビジネスの可能性、そしてブランディングにより地域の大きな存在となった横浜DeNAベイスターズ。

こんにちは!タケっちです。

ご周知の通り東京オリンピックが1年延期されました。来年はコロナを克服した大会とコンセプトを更新して臨みます。すっかりお馴染みになったバッハ会長とIOCも、コロナ第一波の頃は色々とありましたが、基本的に「来年はぜってーやるから」という考えのようです。

背景にコロナに関して公表し難い裏付けがある等、何かしら理由があるのかもしれません。しかしそれも常に状況が変わりながらですのでまだわかりません。

そこで、今回はスポーツビジネスのブランディングについて日頃思っていたこと、中でも横浜DeNAベイスターズに焦点を当てたいと思います。
今回もいち消費者や生活者側から、あくまで部外者としての見方です。ブランディングの現場に立ち会ったわけではなく、現場を知りたい方です。

 

スポーツ観戦

 

まず日本のスポーツビジネスで真っ先に思いつくのは、野球とサッカーでしょう。そして昨年のワールドカップを日本開催したことで大きく盛り上がり、成功したラグビー。ラグビーに関係する方々にとっては、人生観を変えるほどの大きな出来事だったと思います。あとはバスケットボールやバレーボール、卓球、エクストリームスポーツ、最近ではeスポーツ。皆さんそれぞれ思い起こすと思います。

ちなみに大相撲ですが、興行以前に日本神道における祭事という本質的な事があるのでマーケティングの話からは除外します。純粋にプロスポーツから取り上げます。田舎出身の私は子供の頃、夏休みに父親の実家の氏神神社で相撲大会に参加した事を思い出します。まさに井上陽水の少年時代の世界。そういう行事ももう、昔話なのかな?

 

スポーツビジネスの経済的・社会的影響と事業の可能性。

 

スポーツ

そのスポーツビジネス、ある地域が応援するチームや選手が強くなると、その地域全体で盛り上がり当該スポーツ熱も高まります。地域の一体感が高まる他、個々人の健康に対する意識の高まり、スポーツを通した教育や関連施設が造られるなど、様々な経済的・社会的影響が期待されます。

つまりスポーツビジネスは、単にスポーツの興行だけに留まる事ではありません。ファッションやエンタテインメントをはじめ、地域ブランディングや観光、地域貢献、食やヘルスケア、ITテクノロジー、VRなど次世代メディア、様々な領域にわたり、社会インフラまでも動かし得るコンテンツです。

オリンピック規模にもなれば政治と経済界、外交面での協力が欠かせません。国家ブランドにも大きな影響を及ぼします。国民の一体感醸成、外国へのPR、いわゆる国威発揚に大きな効果をもたらします。サッカーWC規模も同様、2002年日韓ワールドカップでは相当盛り上がり、日本と日本人に対するイメージへの影響力も大きなものでした。その後の日本ブランド創りと、インバウンドの大幅な伸長に貢献したと思います。その影響力はサッカーの範疇を超えていくわけです。もちろん、ラグビーWCも同様です。

ところで以下、日頃から個人的に気になっているプロスポーツのトピックです。
まずプロ野球球団のブランディング。その中でも昔から盤石な読売ジャイアンツを除いた各球団の取り組みです。サッカーでは最近目についたのが東京ベルディ1969の新規VI開発。これはイギリスのデザイナー、ネビルブロディによるものです。デザイン界では非常に著名な方で、担当者にその辺精通した方がいらしたのか、起用したことに驚きました。そしてプロレスのコミュニケーション施策。女子プロレスを含みます。あと卓球の近年の盛り上がりとマスメディアの取り上げ方、卓球用品のデザイン。そんな感じです。

 

プロ野球各球団の取り組み。

私が小学生の頃は野球少年であふれていました。ほとんどの子が“お約束”で野球帽をかぶっていました。私も町内の野球チームに属し、毎週日曜日は早朝5:30に起き、進んで各家庭のメンバーを起こしに回っていたという、親御さんには大変迷惑な子供だったと思います。試合では20数連勝、個人の練習方法も独自に工夫して成果が出るとうれしく思いました。野球用品では感触が良く好きな海外メーカーがありましたが、今の仕事に就いてそのブランドガイドライン作成に携わったことがあります。その時には昔のその感触を思い出しながら作業していました。

 

ナイスバッティング

 

現代のプロ野球チームですが、今はどの球団もPRやプロモーション等、様々なコミュニケーション施策に取り組んでいます。個人的に目についている球団は横浜DeNAベイスターズ、そして西武ライオンズや北海道日本ハムファイターズと続きます。
ちなみに阪神タイガースは昔から様々頑張っている様子を目にしてきましたが、革新的な何かが必要な気もします。

各球団の取り組みで記憶に残っている近年の話題では「カープ女子」がありました。テレビ取材の誘致によるPR、SNS…と仕掛けていましたがコロナの影響もあってか、最近はあまり耳にしなくなりました。数年間の現象を作ったまでで、これ以降の戦略は計画にないのかもしれません。

一方、横浜DeNAベイスターズはブランディングに取り組み、DeNAが買収する前の赤字の状況から大幅に改善しました。観客動員数はDeNA前と比較して増加率84%増、年間200万人を超えるとのこと。地場を巻き込みながらマーケティング施策や改善策に取り組んできたようです。今回、その横浜DeNAベイスターズを事例に取り上げたいと思います。

 

横浜DeNAベイスターズのブランド戦略

 

横浜DeNAベイスターズのブランド戦略

 

以下リンク先に興味深い記事がありますので、ご一読頂ければと思います。
※後半は会員登録が要求されます。

https://www.sbbit.jp/article/cont1/36853

以下、内容を一部要約して転載します。

  • コーポレートアイデンティティとして、社是は“良質な非常識に挑戦し続ける”。新しいことに挑戦する気持ちを忘れない。
  • KPIは「主催試合の観客動員数」を設定。
  • 戦略ターゲットはライト層、家族やOLを間接的に誘客する「アクティブサラリーマン」。
  • ターゲット設定の指標は「セグメントサイズ(規模と成長率)」「地域特性(他社球団との相違)」「球団として目指すべき姿」の3つから検討。
  • アクティブサラリーマンのペルソナ:20代後半~30代ホワイトカラー。週末は家族でバーベキューやキャンプ、友達とフェスに行く、ウィークデイは同僚や同級生などと飲みに行く。
  • 市民調査の結果、「横浜」を強くイメージした雰囲気を目指す。
  • ブランド創造施策として球団イメージを刷新。ユニフォームを海を想起させる色やデザインに、座席の色をブルーに統一。
  • アンケート結果を深堀り、さらに現場から顧客の声をくみ取り施策へ繋げる。地元に根付き現場を大切にしたマーケティング。
  • 「ライト層をターゲットに取り組みを実施。アクティブOL層への訴求は実はあまりリーチしない。」

 

個人的には“ライト層”に向けて戦略的なコミュニケーションを展開したことに、色々と考えるところがありました。
コアなファン層は自ら情報を取ってくるので、よりライト層を発掘しファン層拡大へ結びつける。またOLのコアな野球ファンは、例えばSNS等で野球情報を積極的には発信しないと判断。男性中心だと思いますが、ライト層の開拓が全体のファン層拡大に結びつくだろうと、そんな感じのようです。

 

地元に愛される球団へ。一見、地道な取り組みの中にある革新やドラマ。

横浜DeNAベイスターズの事例をざっくり挙げてみると、大変地道にブランド創造に取り組んだことが読み取れます。これだけを見ると「どの球団もやっているんじゃない?」とも思えます。ですが傍から見て地道と思えるこの取り組みの中に、様々な革新や経営判断、スタッフの尽力とドラマがあったはずです。プロ野球という世界に現代的なビジネスモデルや革新をもたらすのは、相当エネルギーが必要だったのではないかと想像します。「コアなファンが最優先、とはいえオールターゲットで…」というありがちな曖昧な考えを捨て、戦略ターゲットをしっかり明確に設定し、まずは安定した収益を上げ地盤を固めること。その上でコアなファン層に向けて発信し、地元全体に愛される球団へ…という事かもしれません。

「現場からファンの声を汲み上げ、それに応える」ということはよく聞く話です。しかし内部的な組織全体での意志や方針・アイデンティティを統合~共有し、戦略的に的を得た企画を立案~実行するのはなかなか大変です。ベイスターズでも同様、その対策として調査分析データによる客観的裏付けを取る意義があったと思います。

一方で横浜DeNAベイスターズのコンテンツが、元来これだけ観客を動員し成功できるポテンシャルを持っていた証でもあります。つまりブランディングにより、そのポテンシャルを最大に引き出せた事例に思います。ブランディングは魔法ではありません。実体が伴っていることが必要です。

内部ではもっと大きなビジョンの下で、様々な取り組みをされているはずです。今後も地元と共に横浜DeNAベイスターズのコンテンツをコアにして事業を拡大させていくでしょう。

 

おわりに

今回スポーツビジネス、横浜DeNAベイスターズの事例をとりあげました。 WEBから概要情報を得ただけですので、それ以外は推察までに留まります。
数年前になりますが、以前横浜方面に行った夜の電車内で、ベイスターズホーム試合帰りの若い男性と女性ファンのグループに居合わせました。当方がひいてしまうほど相当盛り上がっており、なんとなくライト層からコア層に移行中の感じを受けていましたが、根っからのコア層だったかもしれません。ベイスターズに限らず現球団は地元に根差す方針であるのを承知していましたが、好きな人はホント好きなんだな~と思い、思わず耳がダンボになっていました。

個人的にはプロレス、女子プロレスの取り組みには興味があります。プロレスファンではないので試合を見に行くことはないのですが、色々な施策については興味津々です。いずれ情報を集めながら記事にしたいと思います。

ところで私、数十年ぶりに卓球を始めています。地域のPTAの集まりで、今はコロナ感染防止のためマスク着用でのプレーです。そのコロナのため数ヶ月間の休みがあり、その間にラケットを買い替えました。プレーの常識は更新され、卓球用品の技術も色々と革新があったため、現代卓球については全く無知な状況です。そのため昔を知る店員の方に色々アドバイスを頂きながら購入。昔と比べてラバーの値段が高い!子供が卓球部でゴリゴリにプレーしている感じだと、親御さんは大変かもな~と思いました。

以上、タケっちでした。次回もお楽しみに。

 

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