RPAを導入したいけれど、どの業務に活用すべきか分からない。そんな方に向けて、実際に効果が出たRPA事例を4例ご紹介します。経理や人事、営業サポートなど、さまざまな業務での活用事例をもとに、RPA導入時の業務選定のポイントや成功の秘訣も解説。自社に合った業務をどう選ぶか、導入のヒントが見つかります。RPAの導入を検討中の方も、すでに始めている方も、ぜひ参考にしてください。
目次
事例1:建築業(書類の印刷業務に導入)
導入背景
年間約4万棟を超える建築物の確認済証・検査済証は紙に印刷して顧客に渡さなければならず、印刷待ち時間に長年ストレスを抱えていたため、印刷を自動化することで解消できないかと考えていました。
導入内容
基幹システムにアクセスし、1件ずつ開いて帳票類を印刷する業務を自動化しました。
導入効果
- 朝出社をしたら順番通り印刷されており、待ち時間が無くなった
- 一人当たりの平均残業時間が1カ月で5時間減り、多い人は10時間近く削減
- 残業時間が減少し、コスト削減につながった
活用事例2:フードデリバリー業(バックヤード業務に導入)
導入背景
コロナ禍での出店数急拡大に伴い、バックヤード業務の効率性と生産性の改善が急務となっていました。コールセンターの品質を維持するためにモニタリングをしているスタッフもいましたが、それだけではやりきれない部分がありました。
導入内容
クラウド上でコールセンターシステムを利用できるAmazon Connectを監視し、通話が長すぎる人に対してSlackで通知するロボットを作成しました。
導入効果
- オーバータイムが減り、サポートやフォローアップが適切にできるようなった
- 10人月を超える削減効果
- 社員の負担軽減
活用事例3:通信業(バックヤード業務に導入)
導入背景
事業が多岐にわたり複合化したことで、バックヤード業務が煩雑になり、ミスが起こりやすいという課題が発生していました。請求業務は手作業が多いうえに、5、6年前は8万件程度だったものが約20万件まで増加し、営業活動との両立の負荷が大きくなっていました。
導入内容
日報などの集計作業や、複数データのダウンロード等の作業を中心に、約2年で140体のRPAロボットを作成しました。
導入効果
- 5000時間ほどの作業時間を削減
- 単純なヒューマンエラーがなくなった
- 不要な業務の見直しや実態の把握、手順の整理が進み、業務の可視化ができた
- 業務の属人化が解消された
活用事例4:建築業(事務部門に導入)
導入背景
建物を竣工するまでには、公官庁や指定機関へのたくさんの申請業務がありますが、全て法令で定められた期日までに完了しなければなりません。同じ作業の繰り返しが多いため仕事の中心が単純作業になり、かつそれらを期日内に行わなければいけないというプレッシャーがありました。
導入内容
建設現場で排出された産業廃棄物の内容を回収・運搬業者からエクセルファイルで受領します。受領した情報を産業廃棄物を管理する電子マニフェストシステムに申請する一連の流れを自動化しました。
導入効果
- 1週間のうちに5時間かかっていた業務が20分に削減
- 繰り返しの多い登録申請作業から解放され、社員はより付加価値の高い業務に集中できるようになった
- 残業時間が減少し、コスト削減につながった