「地味にスゴイ!校閲ガール」に注目してしまう・・・。

こんにちは、校閲室のZです。

10月5日から連ドラ「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」が始まり、巷ではにわかに校閲に注目が集まっているようですね。校閲専門の部署を持つタクトシステムの社内でも、じわじわと話題になっています。ドラマに登場するのは出版社の校閲部門、こちらは制作会社の校閲部門ということで、お仕事の傾向や範疇に若干の違いはありますが、やっていることは概ね同じですので、物語の端々に顔を出す「校閲あるある」に共感したり、苦笑したりしながら見ています。

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ところでタイトルにある「地味にスゴイ!」というのは、校閲をうまく言い表しているなあと思います。表舞台で華々しく活躍するわけではないけれど、出版物制作において重要な役割を担っている校閲は「地味にスゴイ」と呼ばれるにふさわしいのではないでしょうか。「地味にスゴイ」が日本語として気になるかならないか、という点については、話がうっとうしくなるので割愛します。
校閲という職種を選んだ人たちの性向を見ても、「派手にスゴイ」よりは「地味にスゴイ」を好むタイプが多いような気がします。野球でいえば、三遊間に飛んだ強烈な打球を横っ飛びに捕って、起き上がりざまに矢のような送球でバッターランナーを刺す、というプレイよりも、予測と動き出しの速さでやすやすと打球が飛ぶ位置に回り込んで捕球し、何事もなかったかのように一塁に送球してアウトにする方が好き、みたいな。

話が少々脇にそれましたが、タクトシステムは出版社ではありませんので、お仕事のすべてに校閲室が携われるわけではありません。お客さまから校正・校閲までを含んだご依頼(校正・校閲のみのお仕事も承っております!)をいただいて、はじめて私たちのところにゲラがやってくるわけです。そうしてご縁のあったお客さまとのやり取りにおいて、「地味にスゴイ!」ではないにしても、お褒めの言葉を頂戴することがあります。中でも一番喜ばれるのは、原稿の矛盾点についての疑問出しです。書籍やカタログなど、媒体の種類によって見るべきポイントは変わってきますが、一般的な読者はそこまで突っ込んで読まないだろう、という領域まで踏み込んで読み込み、矛盾やつじつまの合わない部分がないかを探します。悪く言えば粗探しをするわけですが、普通なら嫌がられる粗探しをして喜ばれるのですから面白い話ですよね。とはいえ、度が過ぎた疑問出しはお客さまにとってもありがた迷惑になってしまいますので、要注意です。そのあたりはお客さまから直接話を聞いた営業と打ち合わせをしたり、自分の経験に照らし合わせてたりして、ちょうど良いさじ加減を探っていくことになります。
疑問出しといえば、この業界ではよく「疑問出しは+αの領域」と言われます。原稿通りにしっかり作って100%、さらに疑問出しをすることで付加価値を付けていく、ということなのでしょうが、私たちは専門の部署として会社に在籍しているのですから、+α(言い方を変えればオマケ)扱いされるのも愉快なものではありません。「原稿通りに作って、さらに疑問出しまでしっかりやるのが、タクトシステムの仕事です」と言えるようにならなくては、と日々自らを戒めるようにしています。

そんなこんなで完成した疑問出し(ゲラに直接書き込むことも、別紙にまとめることもあります)は、担当営業と内容について申し送りをした上で、お客さまのもとへお届けされることになります。ドラマの貝塚君のように、受け取った校正紙をそのまま丸投げするような営業マンは、タクトシステムにはおりませんのでご安心ください(笑)。

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