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Google スプレッドシートで Google アナリティクスを操作する

2017.06.20 火

Google スプレッドシートで Google アナリティクスを操作する

こんにちは、CMB室の藤田です。

Google アナリティクスから解析レポートを作成するには、書き出した CSV から Excel などでグラフを作成することができます。とはいえ、いちいちグラフを作成するのは手間がかかって面倒です。今回は Google アナリティクスによるアクセス解析一連の作業を Google スプレッドシートと API で操作する方法を紹介します。

● Google スプレッドシートを使用する

Google スプレッドシートとは、Googleが提供している表計算クラウドアプリです。Google スプレッドシートには Google アナリティクスの情報を操作できるアドオン(Google Analytics Spreadsheet Add-on:無料)があります。このアドオンを使用することで、任意の期間のアナリティクスの指標/ディメンションを取得しスプレッドシートに展開することが可能です。インストールは上記リンクに詳細な方法が記載されています。作者は Google のデベロッパープログラムエンジニアなのでもちろん純正です。


Google Analytics Spreadsheet Add-on

Google Analytics Spreadsheet Add-on

とりあえず使ってみる

アナリティクス アカウントへのアクセス権がある Gmail アドレスで Google ドライブにログインして「新規」ボタンより Google スプレッドシート を選択します。


Google ドライブ

Google スプレッドシートを選択

「無題のスプレッドシート」が表示されます。ツールを使用するには、メニューバーから [アドオン] > Google Analytics > Create New Report を選択します。


Create New Report

メニューバーから Create New Report を選択

画面の右側にサイドバーがあらわれ、Google アナリティクスのアカウント情報を検索するプルダウンと、指標/ディメンションを入力するテキストボックスが表示されます。


サイドバー

画面の右側にサイドバーが表示される

● 男女比の円グラフをつくってみる

まずは試しに、アクセスしてくるユーザー数を性別ごとに取得してみます。
Name テキストボックスに「男女比」と入力し、プルダウンから自分のアナリティクス アカウントを選択します。次の Metrics(メトリクス)とはデータを定量化した指標のことです。このメトリクステキストボックスに Users と入力します。Users はアナリティクスでのユーザー数にあたります。


Users

Metrics Users と入力

Dimensions はディメンション、直訳すると寸法とか範囲や規模などといった意味となります。アナリティクスではデータの属性をあらわします。このディメンションテキストボックスに Gender と入力します。Gender はアナリティクスでの性別にあたります。


Gender

Dimensions Gender と入力

入力が完了した状態で Create Report ボタンを押すと、Report Configuration という名前のシートにレポート情報が表示されます。


Report Configuration

 Create Report ボタンを押すと、Report Configuration という名前のシートが表示される

各セルのパラメータのうち Last N Days 7 がデフォルトで入力されています。この数字は便宜上、開始日と終了日を設定する変わりの過去の N 日間のレポート計測期間の日数です。


Last N Days

 Last N Days は過去のN日間のレポート取得期間

日付でレポート計測期間を指定する場合は、 Start Date に開始日を、 End Date に終了日をそれぞれ入力します。 Last N Days に数字が入力されているとこのパラメータが優先されてしまうので、セルの値は空白とします。


Start End Date

 Start Date に開始日を、 End Date に終了日をそれぞれ入力

レポートを実行するには、メニューバーから [アドオン] > Google Analytics > Run Reports を選択します。


Run Reports

メニューバーから Run Reports を選択

レポートを実行するとダイアログに結果ステータスが表示されます。成功(または失敗)したレポート名がわかります。


結果ステータスのダイアログ

[男女比] という名前のレポート作成が完了

レポートの Results Breakdown 以下に、設定したディメンションと指標を組み合わせた結果が表示されます。ディメンション ga:userGender が性別を、指標 ga:users がユーザー数をあらわします。この例では female(女性)と male(男性)がそれぞれ何人いるかがわかります。


男性と女性のユーザー数

男性と女性それぞれのユーザー数がわかる

ちなみに、ga:userGender, ga:users とは API 上での表記方法で、アドオンから使用する際は API リファレンスを参照します。

そしてこの結果をもとに円グラフをつくってみます。表示セル範囲を選択して、メニューバーから [挿入] > グラフ を選択します。このあたりは Excel の操作に似ています。


グラフ挿入

[挿入] > [グラフ] を選択

[グラフ エディタ] というダイアログがあらわれ、推奨されるグラフがいくつか表示されます。今回は円グラフを選択し 挿入 ボタンを押します。すると、シート上に円グラフが配置されます。


グラフ エディタ 円グラフ

グラフ エディタ 円グラフ


円グラフが配置

シート上に円グラフが配置される

● 他のグラフもつくってみる

この男女比に続いて、さらにサンプルとして
・1日ごとのセッション数とコンバージョン数推移
・階層ごとのページビュー数(流入チャネル別)
のディメンションを取得し、グラフを作成してみようと思います。

● 1日ごとのセッション数とコンバージョン数推移

ワークシート Report Configuration に下記のパラメータを追加します。

 Report Name  セッション数とCV数推移
 Metrics  ga:sessions
ga:goalCompletionsAll
 Dimensions  ga:date

その他は [男女比] と同じです。


セッション数とCV数推移パラメータ

Report Configuration にパラメータを追加

ga:sessions はセッション数、ga:goalCompletionsAll はすべての目標完了数をあらわす指標です。ga:date は日付をあらわすディメンションです。

レポート実行が成功するとディメンションと指標を組み合わせた結果が表示されます。このレポートでは日付ごとにセッション数とコンバージョン数を表示しています。


日付ごとにセッション数とコンバージョン数を表示

日付ごとにセッション数とコンバージョン数が表示される

このレポートも表示セル範囲を選択した状態で、グラフ挿入から折れ線複合グラフを選択すると、セッション数とコンバージョン数推移グラフが作成されます。


セッション数とコンバージョン数推移グラフ

セッション数とコンバージョン数推移グラフ

● 第1階層ごとのページビュー数(流入チャネル別)

ワークシート Report Configuration に下記のパラメータを追加します。

 Report Name  流入チャネル別 階層ごとのPV数
 Metrics  ga:pageviews
 Dimensions  ga:pagePath
ga:pagePathLevel1
ga:channelGrouping
 Sort  -ga:pageviews

その他は [セッション数とCV数推移][男女比] と同じです。


流入チャネル別 階層ごとのPV数

Report Configuration にパラメータを追加

ga:pageviews はページビュー数をあらわす指標です。ga:pagePath はページ、 ga:pagePathLevel1 は第1階層、ga:channelGrouping はデフォルト チャネル グループをあらわすディメンションです。

 Sort  -ga:pageviews とは結果をページビュー数の降順で表示するという意味となります。

レポート実行が成功するとディメンションと指標を組み合わせた結果が表示されます。このレポートではページごとに第1階層と流入チャネルをページビュー数で表示しています。表示の並び順はページビュー数の降順となっています。


ページごとに第1階層と流入チャネルをページビュー数で表示

ページごとに第1階層と流入チャネルをページビュー数で表示

このデータから第1階層(ga:pagePathLevel1)ごとの流入チャネル(ga:channelGrouping)を整理して表示するためにピボット テーブルという機能を活用します。Excel ではおなじみの機能ですが、スプレッドシートでも活用できます。

ピボット テーブルを作成するには表示セル範囲を選択して、メニューバーから [データ] > ピボット テーブル を選択します。


データからピボットテーブルを選択

[データ] > [ピボット テーブル] を選択

新しいシートが作成され、サイドバーにレポート エディタが表示されます。このレポート エディタの行フィールドに ga:pagePathLevel1(第1階層)、列フィールドに ga:channelGrouping(流入チャネル)、値フィールドに ga:pageviews(ページビュー数)をそれぞれ追加します。行、列ともに並べ替えは降順/ga:pageviewsSUM(総計)とします。こうすることで行(第1階層)も列(流入チャネル)もページビュー数が多い順に並べ替えられます。


レポート エディタ

レポート エディタが表示される


ピボット テーブルを設定

フィールドを追加してピボット テーブルを作成する

このピボット テーブルの表示セル範囲を選択した状態で、グラフ挿入から積み上げ横棒グラフを選択すると、第1階層ごとのページビュー数(流入チャネル別)横棒グラフが作成されます。ここでは第1階層ごとのページビュー数上位10位までのグラフを作成しています。


グラフ エディタ 積み上げ横棒グラフ

グラフ エディタ 積み上げ横棒グラフ


積み上げ横棒グラフが配置

シート上に積み上げ横棒グラフが配置される

● その他にも

ディメンションと指標を組み合わせることでさまざまなデータがビジュアルでわかります。例えば…


デバイスのユーザー数とCV数

デバイスごとのセッション数とCV数


地域別のセッション数を地図上で表示

地域別のセッション数を地図上で表示


年齢層を性別ごと

年齢層ユーザー数を性別ごと


リスティング広告の費用とCV数

リスティング広告の費用とCV数

などなど。

● さらに自動化

このような手順で、Google アナリティクスのデータをもとにグラフを作成しアクセス解析を「見える化」することができます。さらに、このアドオンは定期的にデータを取得することができるので、次回はグラフ更新→データをPDF化→メール送信のサイクルを自動化する手順について書こうと思います。

   

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