カタログの基礎知識

カタログ制作コスト削減を考える3つのポイントとは?

2018.12.10 月

カタログ制作コスト削減を考える3つのポイントとは?

こんにちは。
営業担当の近藤です。

カタログを作るのは“はじめて”という方に向けに、今回は、カタログの「コストの見直し」について書きたいと思います。
カタログを作るにあたっては、一円でも安く!と考えるのは当たり前のことですが、その手前の考え方をまとめます。

なぜなら、コスト削減は手段であって、目的とするものではないからです。
まずはカタログ制作コストの中身を確認したうえで、コストを見直す際のポイントについて解説したいと思います。

カタログ制作コストの中身を7つに分解

まずは、カタログ制作のコストを分解して、何にどのようになコストが発生するのかを確認しましょう。

例として、100ページ(表紙周り4ページ+本文96ページ)のカタログを見積もり項目の順番に沿って考えてみます。案件に応じてさまざまな価格設定や予算配分、割引条件の設定などがあるのですが、ここでは概要だけ押さえていきます。

◆カタログ制作にかかる見積項目例◆

お 見 積 書(例)

番号 内容 数量 単価 金額(税別)
企画・構成費 一式 300,000円 300,000円
取材・原稿作成 一式 250,000円 250,000円
撮影費 一式 150,000円 150,000円
表紙デザイン 一式 150,000円 150,000円
本文レイアウト(均し単価) 96ページ 15,000円 1,440,000円
その他素材費 一式 100,000円 100,000円
印刷費 3,000部 300円 900,000円

小計

3,290,000円

※本稿では、上記の金額が高いか安いか、といった考えは除きますのでご了承ください。
あくまで見積もり項目の内訳のご紹介となります。

① 企画・構成費

カタログ案件全体を通じた“企画を考える金額”と、“構成設計を考える金額”ということになります。
目安は、案件全体の金額の10~15%程度。もちろんどの程度“考える”かによって金額が変わります。
たとえば、クライアントサイドがこういった趣旨で、こういったターゲットに、こういった表現で、こういった商品を訴求したい!という意思が固まっている場合には、この費用はガクンと下がります。

②取材・原稿作成

コピーライターが現地に赴き取材をしたうえで、原稿作成をおこなう場合の金額です。
内訳としては、以下のようになります。

取材費
コピーライターの拘束時間です。
移動時間を含めて、半日の取材なのか、1日かかるのか、によっても金額が異なります。

交通費
コピーライターの移動のための交通費。取材先が遠方であれば、新幹線代や宿泊費等が発生することがあります。

原稿作成
コピーライティング代です。取材をもとに、カタログにマッチする原稿に仕上げていきます。どれくらいの分量を書き上げるのか、ということのほかに、商材の扱いの難易度によっても金額が異なります。

商品名・価格・品番などの基本情報は、クライアントサイドから提供されることがほとんどですが、中には、営業トークを取材してもらって、それをカタログに落とし込んで欲しい、なんてご依頼もあります。
その他、メールの文字ベースのやりとりを取材の代わりとする場合もあります。
基本はFace to Faceですが、拘束時間=取材費を削減する方法はこのようにさまざまです。

③撮影費

カメラマンが撮影する場合の金額。そのままですね。
内訳としては、以下のようになります。

撮影費
カメラマンの拘束時間と技術料といったところです。
何を何点撮影するのか、によって金額が異なります。
あとは、カメラアシスタントが何名必要か、といったところもポイントとなります。

機材代・雑費
撮影するモノと場所によって、必要な機材が異なります。
照明をどれくらい必要とするのか、など具体的に用意するものによって金額が変化します。

他に、撮影にあたって必要な小道具の費用がかかります。
例えば、食品の撮影の場合には、皿・箸・スプーンから、バックに写り込む花までさまざまです。
また、撮影にあたってモデルさんを使う場合には、メイク・スタイリストさんの金額や、スタジオの使用料、ロケの場合にはロケハン代などさまざまな金額によって構成されます。

④表紙デザイン

表紙は何といってもカタログの華!
表紙次第で、カタログを開いてくれるかどうかが決まります。

そのため、表紙のデザインに力を注ぐのは当たり前。
そして訴求内容が決まっていても表現(デザイン)方法はいろいろあります。
どのようなデザインが中身への期待値を高めつつ、開いてもらえる表紙となるのかをさまざまな視点から考えてデザインします。

⑤本文レイアウト

本文レイアウトは難易度によって金額がさまざまです。
下記のとおり、見積もり上、細かく金額を分けて記載する場合もあれば、均し単価として一律で記載する場合もあります。

前付(コンセプトページ)
目次のほか、新商品紹介や企業の姿勢を訴求するページを入れます。表現方法に特に気をつける部分ですし、デザイン的にもこだわりを持って作られることが多くなります。その分、金額もちょっと高め。


各カテゴリを区分けするために挿入されるページです。同じリズムで挿入されることで読みやすさを生み出します。

本文
決まった形に沿って、商品を整然と並べていくカタログもあれば、通販カタログのように1ページずつ自由な組み方をする場合もあります。どちらを選ぶかはそのカタログの訴求方法次第。

巻末
索引や事務所マップなど、カタログに付随する情報が多く掲載されます。
金額を抑えるには、目次や索引抽出などの作業を自動化することや、原稿精度を高めて、校正回数を削減する方法などがあります。

⑥その他素材費

レンタルフォト、イラストやCG加工費などが含まれます。
ネットで購入できるレンタルフォトは1点数千円~数万円と幅広くあります。
イラストもレンタルする場合や描き起こす場合など、内容次第で金額が決まってきます。

⑦印刷費

ページ数量、用紙(種類や紙の厚さ)、加工方法によって金額が変わってきます。
納品場所が複数個所ある場合は、納品代によっても金額に差が出ますね。
単純に費用を抑えたい場合には、用紙や加工方法を見直すほかに、本文の内容をまとめてページ数量を減らす、という方法もあります。

カタログ制作コストを見直す3つのポイント

さて、カタログ制作にかかるコストとその概要が分かったところで、コスト削減のための3つのポイントをご紹介いたします。

①カタログ制作の目的を見直す
②アウトソーシングの中身を見直す
③掲載情報を見直す

①目的を見直す

お客様に商品・サービスを紹介し、販売につなげる。そのためのひとつのツールがカタログです。

カタログ以外にもチラシやホームページ、WEB広告、メールマガジン、営業マンのセールストークなどお客様との接点はさまざま。
まずはカタログの役割を明確にし、お客様との接点の中でカタログのコストを何のために見直すのかをはっきりさせる必要があります。

カタログは売上にどれだけの貢献をしているのか、お客様のニーズに応えたカタログになっているか、カタログ作成で削ったコストは何に使うのか、など視点はさまざまです。まずはコスト削減の目的を明確化することが大切です。

②アウトソーシングの中身を見直す

カタログ制作コストについては、上述した通りとなりますが、コストの中身は以下の3つに分けることができます。

ポイント

人件費(情報を整理する時間+制作時間)
技術費(企画アイデアやデザインなど)
設備/資材費(編集ソフト代、印刷設備、用紙代など)

技術費と設備/資材費について内製化を検討するのはかなり難しいことなると思いますので、
人件費に絞ってアウトソーシングすべきかどうかを検討すると、コストの大幅な見直しができることがあります。

原稿をわかりやすく整理したり企画アイデアを社外から募集しないなどにより、制作時間を短く押さ、コスト削減の一手とすることができます。

③カタログ全体の構成を見直す

カタログをご覧になるお客様はどんな情報が欲しいのか、を見直すことは、カタログ全体の構成を見直すきっかけとなります。
カタログのサイズを小さくしたり、ページ数を削減することができれば、印刷費用も削減できます。
お客様にとって不必要な情報が掲載されていないか、写真のサイズは適切か、文字サイズはどうか、など細かな視点で全体を見直すことも有効です。

チェックポイント

  • 掲載情報量は適切か?
  • ページ数は適切か?
  • サイズを小さくすることはできないか?
  • 用紙をうすくすることはできないか?
  • 印刷部数(在庫)は適切か?
  • 配送費を見直すことはできないか?

おわりに

いかがでしたか?
内製化でできること・できないこと、お客様に本当に伝えたいこと、そのための手段を見直し、トータルのコストバランスを見直してみることがコスト削減の第一歩になると思います。バランス感覚に困ったら・・・まずはお客様の声を聞くこと。
なお迷うようでしたらお気軽にご相談ください。解決の糸口を探ります!

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  • この記事を書いた人

タクトシステム制作チーム

カタログ制作が得意なDTPオペレーター・デザイナーです。企業の販促担当様に向けたノウハウを発信しています。

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