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カラープロファイルのちょっとした実験

2021.03.23 火

前回、画像の色が変わって見えるのに、実は色は変わっていないという不可思議な言葉を残した博士。
どうやら、今回はその説明のための実験をするようです。

 

博士~
今回は、少し実験をしてみようと思うよ
前回、何か訳のわからない事を言っていたでしょ?
色が変わって見えるが、実は変わっていないよ……じゃね?
そうそう、どういう意味なの?
まずはこちらを見てくれるかの

前回取り上げた画像だね
二つの色は異なって見えるかな?
違うねぇ
では、こうしたらどうじゃな?

!? 同じになったんだけど、何をしたの?
それぞれの画像に添付されていた、カラープロファイルを取り除いたんじゃよ
え、え?
カラープロファイルは、画像が作成されたカラースペースを記録したものと前回説明したじゃろ?
そうね
それは、作成した環境でその画像がどのように見えていたか、という情報でもあるんじゃよ
ふむふむ?
例えば、このリンゴ……

異なる環境で見たときは、違った色に見えるかもしれん

そうね
しかし、別々の環境でも同じ色でリンゴを鑑賞したい、と考えたときどうするね?
まあ、建物の中なら同じ蛍光灯を使うとか、部屋の壁の色を同じにするとか……あ!
ふむふむ
リンゴが見られていた環境を伝える役目が、カラープロファイルって言いたいんだね!
そうそう
さっきの画像が、今のリンゴってことだね?
同じリンゴでも、環境を説明するカラープロファイルが異なっていると、色が異なって見えてしまう
でも、カラープロファイルを取り除いたら、想定していない色になるのでは……
そうじゃね。機械ではその画像がどのような環境で作成されたかわからないので、とりあえずモーちゃんのパソコンに決められている設定で、両方とも再現されたわけじゃな
中身は同じだから、同じ色になったワケだ。なるほど
そうじゃね。そして、環境が違っても同じ色を再現しようとする試みを、カラーマネジメントと呼ぶよ
カラーマネジメントね、了解
もしかしたら、先ほどの4つの画像、カラープロファイルが有っても無くても、同じに見える環境があるかもしれんの
そうなの?
一部のWebブラウザでは、カラープロファイルを使ったカラーマネジメントを行わない設定にされているので、その場合は全て同じ色に見えてしまうよ
カラープロファイルの意味とは……
そのような環境では、色に関してsRGBを想定しているようなので、Webの仕事ではsRGBを基本として作業をしたほうが無難じゃなかろうか
なるほど、了解です
カラープロファイルはRGB画像の中身を変えず、見た目を変えているわけじゃが、その見た目はCMYKへの色の変換でとても重要になるよ
というと?
RGBからCMYKへの変換は、カラープロファイルも基づいた見た目に合わせて色が変換される
じゃあカラープロファイルを間違えたら大変だね!
前回問題になった画像のように、元の画像にカラープロファイルを添付していない状態で複数の会社に画像を提供したとき、それぞれ異なったカラープロファイルで画像を開いてCMYKに変換したら……
元は同じでも、違う仕上がりの画像が仕上がってくるわけだねぇ
試しに、カラープロファイルが異なっていた前回のデータをそれぞれ変換してみたよ

変わるねぇ
中身の変わらないRGBと違って、CMYKは変換で中身を変えてしまっているから、カラープロファイルを除いたからといって同じ色にはならないので注意してほしい
わかりました
では、まとめてみようかの

 

『カラープロファイルの実験』
1.カラープロファイルを利用して、環境が変わっても同じ色を再現しようとする試みをカラーマネジメントと呼ぶ
2.Webブラウザの中には、カラープロファイルを使ったカラーマネジメントを行わない設定になっているものがある
3.CMYKへの変換は、カラープロファイルで再現された見た目を変換するので、カラープロファイルの取り扱いは注意が必要

 

といったところかの
なかなか、ややこしいね
Webや印刷物など複数のメディアで使った画像に色の問題があったとき、カラープロファイルの扱いに原因があるかもしれんから、なんとなく覚えておいてもらえると役に立つかもしれんのぉ
了解です!
さて、今回のお話はここまでにしようかの
ありがとうございました!

To be continued・・・

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